UiPath Japan MVP(Most Valuable Professional)プログラムとは、世界的に有名なRPA製品を提供しているUiPath社が社外の人を「MVP」として表彰する制度です。一年に一度認定のタイミングがあり、2019年から制度が開始され、2023年11月時点では5回目の認定が終了している状況です。
【各年の認定者数】
・2019年:7名
・2020年:9名
・2021年:10名
・2022年:10名
・2023年:8名
UiPath Japan MVPについて説明されている公式サイトは下記です。
Japan MVP 公式サイト:MVPプログラム | UiPath株式会社
各年にUiPath Japan MVPに認定されている方々は下記サイトで確認する事が可能です。
【各年のMVP紹介ページ】
2019年MVP紹介ページ:RPAの民主化を担う、先駆者たち―UiPath Japan MVP 2019の皆さんをご紹介します
2020年MVP紹介ページ:MVPプログラム 第二期開始!UiPath Japan MVP 2020
2021年MVP紹介ページ:
MVPプログラム 第三期開始!UiPath Japan MVP 2021の皆さんをご紹介します | UiPath
2022年MVP紹介ページ:新生UiPath Japan MVP 2022メンバーの活動にご注目を! | UiPath
2023年MVP紹介ページ:UiPath Japan MVP 2023メンバー 勢揃い!日本全体にオートメーションを拡げる先駆者たち | UiPath
UiPathのMVPプログラムはJapan MVPの他にコミュニティ(グローバル)版のMVPプログラムも存在しています。
コミュニティ(グローバル)版のMVPプログラム:Most Valuable Professionals in the RPA Industry | UiPath
この記事ではUiPath Japan MVPプログラムについて、個人的に調べて分かっている制度や選考の事についてを説明をしていきます。
【目次】
- 1.UiPath Japan MVPに認定されるメリットは?
- 2.どんな人がMVPに選ばれるのか、求められる事とは
- 3.審査はどのように行われるのか
- 4.有名なMicrosoft MVPとの比較
- 5.グローバル(コミュニティ)と日本のUiPath MVPの方々について
- 6.UiPath Japan MVPに興味がある方やチャレンジしたい方々へ
1.UiPath Japan MVPに認定されるメリットは?
UiPath Japan MVPに認定されるメリットは下記の通りです。
〇UiPath社の幹部やスペシャリスト、その他のRPAエキスパートと繋がれる
MVPに選ばれる事で、UiPathについて議論するための場をセッティングしてくれたり、人と繋がる事ができたりします。また、他のJapan MVPの人やUiPath社の人と交流できるチャットが用意され、議論を行う事もできます。
〇専門的に更に成長可能
製品の検証用ライセンスを貰う事ができ、通常有償なライセンスも無料で検証を行う事が可能になります。また、スピーチやメディアへの機会に招待される場合があり、技術的な面以外の部分の成長にも繋がります。
〇UiPath Japan MVPとして名乗って活動ができる
UiPath Japan MVPであることを1年間の期間名乗る事が可能になります。社内や社外での知名度が上がり、市場価値を高める効果もあると思います。MVPになる事で、お客様や社内の人にすぐ覚えて貰いやすくなったなと感じます。
〇かっこいいMVPトロフィーが貰える
重厚感のあるかっこいいトロフィーを貰う事ができます。トロフィーはやっぱり貰えると嬉しいものですね。毎年トロフィーの形も変わります。
個人的には、UiPath社の考え方やロードマップや作業状況を把握しやすくなり、製品自体や共通部品、ドキュメント等をより良いものにするための活動のし易さが高まる事が大きなメリットになると感じています。
2.どんな人がMVPに選ばれるのか、求められる事とは
どんな人がMVPに選ばれるかについてですが、公式の情報では下記に当てはまる人と記載されています。
【MVPとはこんな人】
〇技術的に深い知識・経験があるUiPathデベロッパー
〇知識・経験を世の中に発信・共有していただける方
〇UiPathへの情熱を持った方
【MVPに期待すること】
「期待している事が実現可能な人なのか」は評価基準に含まれていると思います。
〇UiPath技術情報の発信 (イベント登壇、ブログ記事、SNS、動画配信など)
〇MVPやエキスパートの意見交換会の企画、参加
〇次期コミュニティリーダーとのコラボレーション
〇UiPathのさらなる普及活動
〇UiPathコミュニティ活性化のリード
〇製品の検証とフィードバック
〇Forumでのナレッジ共有とアドバイス
ただ単に詳しいだけではなく、その知識を周りに広げ、UiPathの発展に貢献している人がMVPとして認定されています。選考の際には既にそのような活動ができているかも重要な選考ポイントだと思います。
ちなみにグローバル(コミュニティ)MVPとしての評価基準は下記の記載となっています。UiPath歴が原則2年以上であることやUiPathのプラットフォームの全体的に理解していることが明記されている点で違いがあります。
【グローバル(コミュニティ)MVPの評価基準】
<技術的専門知識>
〇2年以上のUiPath経験(並外れた貢献且つコミュニティから認められているものがある場合は例外)
〇UiPath認定資格を持っている
〇UiPath自動化プラットフォームの全体的な理解
〇UiPath製品の少なくとも1つを使用するための高度な専門知識
〇更なる製品開発のための明確なフィードバックとビジョン
〇実装の確かな実績
〇カテゴリ毎の専門知識を保有している事。詳細はサイトを参照下さい。
<コミュニティ(地域社会)への貢献>
〇UiPath フォーラムへの貢献、新規ユーザーへの支援、エンゲージメント、貢献)
〇マーケットプレイスでのコンポーネント公開またはコンテンツの評価とレビュー
〇地域拠点の支部を率いる
〇コミュニティ向けのチュートリアルブログとビデオコンテンツの作成
〇UiPath関連のミートアップ、ハッカソン、ウェビナーへの参加
〇製品ロードマップに影響を与えるためのフィードバックの提供
〇メンターコミュニティメンバー
<モチベーションとビジョン>
〇コミュニティでの貢献への継続意向の証明
〇行動の明確なビジョンと計画
〇自ら行動し、道を導く準備ができている事。大胆かつ迅速に主導権を握れる事。
〇コミュニティの他の人を気遣う事ができて、謙虚である
〇自動化スペースのさらなる開発に没頭し、常に可能なことのフロンティアができる
2022年からグローバル(コミュニティ)MVPの評価基準ページは大きく更新されました。各製品群毎にどの専門知識を持っているか、より明確に記載されています。記載されている専門知識はMVPを目指さない方向けにも何を学べばよいのかの参考になる思いますので、興味のある方は下記リンク先を覗いてみてください。
【グローバル(コミュニティ)MVPの説明】
Japan MVPについての説明や初代Japan MVPの方々によるディスカッションが過去行われており、認定者の応募の経緯やJapan MVPになる秘訣を下記YouTubeで確認する事ができます。
こちらの動画の中で出てくる認定に関わる秘訣のポイントは下記です。
〇UiPath愛(情熱力)が重要視される
〇有益な情報をシェアして、技術やノウハウを広げられる
〇フォーラムで困っている人がいたら助けてあげる
〇色んな事にチャレンジできる且つその活動を楽しめる
⇒情報がない中で自分で検証して正解に辿り着ける
〇周りを引っ張っていける人(コミュニティリーダー)
2022年5月に行われたウェビナーイベントで公式から選考のポイントが初公開されました!下記動画の12:24~19:50内でUiPath Japan MVPの制度や選考ポイントについて、情報を得る事ができます。
3.審査はどのように行われるのか
選考に関しては、下記のプロセスで行われていきます。
①書類選考
書類選考の中にはUiPath ForumやUiPath ConnectのアカウントページやUiPath資格、アカデミー学習状況、実務の経験と実績、情報発信(ブログやTwitter(X)アカウントとフォロワー数、反響の大きかった記事やTweet(Post))、アピールポイントや成し遂げたい事を記載する内容となっています。有益な情報を発信する能力があるか、レベルの高い経験や実績があるか等、前述で記載しているどんな人が選ばれるかの判定基準を満たしているかが確認されていると思われます。
公式サイトの下の方に、申請フォーム(Excel)が存在しており、その中に経歴や実績、アピールポイントを記載して提出します。MVPを狙っていきたい方は、直前に埋めるのではなく、事前にダウンロードして徐々に更新していくのが良いのではないかと思います。
②一次面接
③二次面接
面接は自己紹介とこれまでの活動内容や成し遂げたい事について、フリーフォーマットの資料を作成して5分程度のプレゼンを行った後、UiPath社の方数名から質疑応答が行われます。質問は本気度が試される内容になっています。
4.有名なMicrosoft MVPとの比較
有名なMVPプログラムでMicrosoft MVPというものが存在しておりますが、こちらと比較をしてみました。Microsoft MVPでは受賞のカテゴリが定義されています。「Office Development」や「Azure」、「AI」、「Business Applications」等。Microsoftは利用者や製品数が多いためカテゴリ別になっていると思われます。2022年5月時点で、世界全体で3000人以上のMVPが存在しています。
認定される条件としては「何かの分野で技術エキスパート」であり「その知識を皆に共有している」の両方を満たしている人で、認定条件だけでみるとUiPath MVPと大差ないのかなと思います。UiPath Japan MVPも何故この人が受賞したかわかり易くするために、2023年からMVPテクニカルカテゴリでUiPathの何に詳しいMVPなのか分かるようになりました。
Microsot MVP公式サイト:Microsoft MVP Award
5.グローバル(コミュニティ)と日本のUiPath MVPの方々について
次にグローバル(コミュニティ)MVPの情報を見ていきます。コミュニティMVPは2020年時点で20名、2021年は62名、2022年は100名、2023年は122名認定されている方がいます。毎年11月~12月頃に選考プロセスが開始されます。UiPath Forum(コミュニティサイト)は日本用のForumが用意されていますが、コミュニティMVPになるためには日本以外のForumでの活躍や世界的な情報発信力が必要となるのではないかと思われます。日本人では2022-2023年に1名認定されております。
【2020年のグローバル(コミュニティ)MVP】
【2021年のグローバル(コミュニティ)MVP】
【2022年のグローバル(コミュニティ)MVP】
【2023年のグローバル(コミュニティ)MVP】
これまでJapan MVPを認定されている方々は冒頭に記載しているリンク先で確認する事が可能ですが、勝手に分析した結果だと、下記のような特徴があります。
【勝手に分析したUiPath Japan MVP の特徴】
〇フォーラムやメディアで著しく活躍している方
〇Orchestratorやインフラが得意な方
〇Microsoftや.NETに精通している方
〇他の業種(IT以外)からUiPathを初めて活躍している方
〇業務ユーザとしてUiPathを利用して活躍している方
〇グローバルレベルで活躍しており共通部品や新製品の日本展開に貢献している方
〇ハッカソン(グローバル)で活躍するレベルの開発力が高い方
〇幅広い面で有益な情報を公開し、UiPath書籍まで出版している方
〇技術面だけではなくプロジェクト管理等の面でも情報展開している方
〇最新情報や開発で躓くポイントをわかり易く展開されている方
〇UiPathを社会人や仕事だけではなく、それ以外の人にも普及していきたい強いビジョンを持って行動されている方
〇UiPathの新製品(AI Center、クラウド版 Orchestrator 等)に精通している方
UiPathが課題と感じている部分を補ってくれそうな人、くれている人が認定されていると思います。UiPath Japan MVP 特許として検証用ライセンスが利用できる分、それを駆使してForumサポートやナレッジ展開、フィードバック、バグ報告する事への期待値も高いと感じています。
6.UiPath Japan MVPに興味がある方やチャレンジしたい方々へ
MVPに期待される事は大変な事が多いですが、「より多くの人に有益な情報を届けていきたい!」「製品自体やドキュメントをより良いものにするサポートをしたい!」「UiPathへのパッションは誰にも負けない!」という方々は是非次のMVPにチャレンジしてみてください! 若い人でも熟練者でも情熱や製品をよくするために活動できる人には認定のチャンスは十分あると思います。(選考プロセスは毎年7月頃に開始されるためそれまでに評価される活動を行う必要があるためご注意ください)
UiPathには『UiPath Friends』という非営利の公式ユーザコミュニティが存在しています。こちらでも技術交流や勉強会、情報共有が可能になっておりますので、MVPを目指す方はもちろん、目指さない方もこちらのコミュニティに入ると社内以外の情報を得る事もできてお勧めです。(2023年11月時点で2622名のユーザーが登録しています)
こちらのコミュニティ内でも大きな貢献をした人はMVPプログラムとは別に表彰もされております。UiPath Friendsのコミュニティ表彰式の詳細はこちら。
説明は以上となります。グローバル(コミュニティ)MVPにチャレンジする人が今後更に出てきたり、UiPath Japan MVPを目指す人が増えて競争率が上がっていく事で、切磋琢磨しながらUiPathを利用している現場や会社に良い影響を与える事に繋がると良いなと思います。
UiPathについての情報を纏めており、各記事に下記ブログから飛ぶことができますので、UiPathについて情報を得たい方はこちらの記事もみて頂ければと思います。