ハタケ(システムエンジニア→ITコンサル)の日常とナレッジ展開ブログ

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【RPA(UiPath)】よく発生する課題や問題についての解決方法

この記事ではRPA(UiPath)でよく発生する課題や問題について、どのように解決をしていけば良いか解決する能力とその伸ばし方よくある問題と解決策への対応方法を紹介していきます。よくある問題と解決策は日々随時更新していく予定です。

 

【目次】

 

分からない事を調べる時のフローについて

はじめに、UiPathで使い方が不明等分からない事が発生した際にどのように解決を行っていくかについての概要を説明していきます。分からない事が発生した際の対応フローは下記イメージ図の通りとなります。対応フローの各段階ごとに実施する内容を説明していきます。

 

【分からない事を調べる時の対応フロー イメージ図】

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分からない事はある程度の種別に分ける事ができます。質問する際に相手に、キーワード情報として渡すと、スムーズに解決する事ができるので、分からない事があった場合は、どんなカテゴリのものか事前に考える癖を付けましょう。続いて各段階での作業内容の詳細を説明していきます。

 

<第一段階-個人解決>

こちらは勉強や他の仕事の時にもやられていると思いますが、分からない事はまず自分で調べて解決できないか対応をします。インターネットで闇雲に検索するのも良いですが、下記の順番で解決できないかを探していくのが、確実な情報且つほしい情報まで早く辿りつけます。

 

1.社内ナレッジ資料

過去社内で同じように困っていて、解決した結果が社内ナレッジに蓄積されていれば、まずここに情報がないかを探します。現時点でない場合、ナレッジを蓄積するメモレベルの一覧でも構わないので、作成する事をお勧めします。

 

2.UiPath 公式ガイド

UiPathは各製品別にガイドを公表しています。公式が出している情報ですので、情報の質が高く信頼性があるものとなります。製品仕様や基本操作についての疑問は必ずこちらを確認しましょう。

 

UiPathドキュメンテーションポータル

 

環境構築関連(バージョンアップやAWS、Azure)はナレッジベースという所に情報が別で公表されているので、上記で見つからない場合はここにもほしい情報がないか、探してみてください。

ナレッジベース | UiPath

導入事例系は下記ニュースルームを探してください。

ニュースルーム メディア向け情報 | UiPath 

 

3.UiPath フォーラム

UiPath コミュニティフォーラムというユーザ間で情報交換するサイトがUiPathには存在します。ここに過去分の質問が2000件近く投稿されているので、フォーラム内でキーワード検索して、解決策がないか探します。ここにいきなり質問投稿しても良いですが、過去同じ質問があり、解決されているものがないかは調べてから質問しましょう。

Latest フォーラム topics - UiPath Community Forum

 

4.書籍、インターネット(インターネット記事、他技術や製品のシステムガイド)

次に手持ちの書籍やインターネットで検索をして解決できないか対応します。インターネットは調べ過ぎてもキリがないため、数ぺージ分の情報をみても情報がなさそうであれば、諦めた方が良いです。新技術や新製品等新しい内容の疑問は情報が少なく、検索しても解決できない事が多いです。

 

エラーメッセージの見方や考え方について、Qiitaにとてもわかり易く纏められている記事がありますので、エラーメッセージからの調査方法よくわからない方はこちらの参照することをお勧めです。

qiita.com

 

<第二段階-社内解決>

第一段階で解決しなかった場合は、次に社内の詳しい人にコミュニケーションツールやチャット、メール等で質問するフローに移ります。あきらかに社内で誰も経験していない内容の疑問は聞いても解決しない可能性が高いので、飛ばしても良いと思います。ただ、把握しておらず自分の思い込みで聞いても答えてくれないだろうという気持ちで第二段階目を飛ばすのは良くありません。

 

■補足(上手な質問の仕方)

質問をする際は、相手が理解し易いように分かり易いように質問する事が大事です。自分の知りたい事を断片的な個所だけ質問しても相手は情報が少なく、答えられない場合があります。

 

<タイトル>

分かり易いものを記載する事。質問なのか相談なのか分かるように書く。

例:【質問】クリックアクティビティの使い方について

<質問したい製品名や技術名>

どの製品に対しての質問なのかを分かるように記載する。利用バージョン情報もあると良いです。

<質問、相談したい内容>

内容を簡潔に記載していきます。エラーメッセージが出力されている場合は、メッセージコードが分かるように画面キャプチャか文章を記載する事。何故その対応にこだわっているか経緯や背景の情報もあると、違う対策案がある場合は提案しやすくなります。

<これまで試した事や自身の考察>

解決するまでに自分がやったことを論理的に記載する。

 

 

<第三段階-外部解決>

第二段階でも解決できなかった場合は、外部の力を借りて解決を行います。問い合わせ先の選択肢は下記の5通り存在します。UiPath社や他社製品のカスタマーサポートへの質問はその製品に対しての質問でしか、回答は貰えないので質問先が正しいかは質問前に確認しましょう。

 

1.UiPath コミュニティフォーラム

第一段階でも登場してきましたが、こちらはUiPath Connectのユーザ登録(無料)をすれば、誰でも質問を行う事ができます。製品版を購入していなくても質問が可能です。但し他ユーザからの回答となるので、情報の信頼性は少し低いものとなります。また、全体に質問内容が公表されるため、社内情報や個人情報漏洩しないように質問するように気を付けなくてはいけません。開発方法が分からない系のちょっとした相談はここにすると良いです。なんでも答えくれる方々がいるようですので、余り気負わず投稿してください。

Latest フォーラム topics - UiPath Community Forum

 

2.UiPath カスタマーサポート

UiPath社に直接問い合わせを行えるものです。製品版を購入していない場合も導入目的であれば、製品や事例/実績、ライセンス相談が可能です。製品版を購入している場合は、開発時の問題をカスタマーサポートに問い合わせする事ができます。(質問の際にライセンスキーの入力が必須で必要となるため、製品版を購入していなければ問い合わせする事はできません)

 

情報の信頼性は高く、最新製品の事も確認する事が可能です。注意点としては、UiPath製品に関わる内容でしか回答は得られませんので、「Excelの関数どうしたらよいか」や「AWSの仕組みを教えて」等他製品の疑問を解決する事はできません。質問する際に、UiPath製品に対する質問なのか確認してから質問は送信しましょう。サイトのフォームで質問を送信して、その後はメールでやり取りをしていく形式となっています。

 

下記のような条件の時に利用する事が多いです。必要に応じて優先度を設定しましょう。優先度の設定の詳細は問い合わせページの優先度の箇所に説明があります。

 

○公式の見解がほしい
○ネットで探しても解決策が見つからない
○自分達で解決できそうもない
○本番影響が大きく早急/確実に対応したい

 

カスタマーサポート | UiPath

 

3.その他製品 カスタマーサポート

OfficeやAcrobat Reader、.NET等他製品の事で質問を行いたい場合は製品ごとのカスタマーサポートセンターに質問を行ってください。UiPath コミュニティフォーラムのようなものが存在している製品であれば、そちらへの質問も検討すると良いです。

 

4.有料外部サービス

疑問の解決を代行してくれる外部サービスがいくつか存在しております。どこ宛に質問すれば良いか切り分けをできる人材がいない場合や、解決する情報を探す時間が惜しい企業はこちらのサービスを利用するのも良いと思います。従業員が1~3時間分からない事を調べ続けるより、外部に疑問解決作業を委託する方が本来の業務が止まらない場合や、人件費を安く収める事が可能となるからです。ただ過去誰かが行った質問をもう一度他の誰かがしてしまうのは費用がもったいないので、ナレッジ化しておく事をお勧めします。(チケット制ではなく無限に質問可能な契約であり、契約し続けるのであれば問題なし)

 

5.Twitter等のSNS

稀にTwitterでツイートすると情報解決の情報を教えてくれる方々がいます。本来であれば有料外部サービス並みの回答も貰う事ができる時がありますが、回答貰える確率は低いので、あまりお勧めではありません。社外に流出してはいけない情報を投稿しないように注意も必要です。

 

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分からない事を解決する力(開発力)について

分からない事を解決していくにあたって、すぐ答えに辿り着く人と辿り着けない人がいます。すぐ答えに辿り着ける人とそうでない人の違いについては、知識量と情報収集力の違いだと思われます。どんな知識が必要なのか、理解し易くするためにUiPath開発に必要な知識体系を下記にロジックツリーとして表現してみました。RPAは関わる技術が広く、全ての情報を記載する事はできないので、イメージを掴むためのもので第3階層以降は代表的なもののみを記載しています。また、開発に絞っており、管理者やソリューションアーキテクトの知識は下記ロジックツリーには含まれておりません。

 

【ロジックツリー最新化中、、、】

 

UiPathは開発をする事自体は簡単に行う事ができますが、上手く開発ができない場合や連携システムによっては各技術知識や経験が必要となります。全て頭の中に入っている人はほぼいないと思いますが、解決に辿り着ける人は下記が出来るようになっています。全ての専門知識や技術を保有していなくても、IT基礎知識を保有しており、情報を利用する能力が高い人であれば、その場その場で調べながら課題や問題を解決していく事が可能となります。

 

<解決に辿り着ける及び辿り着くのが早い人が出来きている事>

1.分からない事がどこの分野や製品の事なのか特定できる

2.経験や知識からどうあるべきかを想像する事ができる

3.各情報がどこにどんな情報があるか大体把握している

4.インターネット検索で使用する検索キーワードが的確、情報を絞れる

5.各製品の問い合わせ先、問い合わせ方法を知っている

 

どうやったら上記に記載してある事を身につける事が出来るのかを引き続き解説していきます。

 

<1.分からない事がどこの分野や製品の事なのか特定できる>

各製品の特長や概要を抑えておく事で判別する事ができます。各製品間の技術の概要も知っていなければ、特定できない場合があるので、ネットワークやOS、Web等の幅広い知識も必要となります。基本情報技術者試験の知識+各製品の知識」のようなイメージです。学習しながら実際に知識を使っていく事で身につけていく事ができます。この能力があれば質問先が分かるため、最終的には答えに辿り着く事ができます。基礎があれば、新しい技術や情報を理解する速度も速く、応用が利くため非常に重要なスキルです。

 

<2.経験や知識からどうあるべきかを想像する事ができる>

今までのシステム開発経験から完成されているシステムがどのような状態であるべきかを把握しているため、あるべき姿とのギャップがあった場合に誤りに気付く事ができます。こちらは色々な開発をしたり完成しているシステムに触れたりして身につけていくしかないと思います。各現場のシステム構成や開発手法、コードや設定値を把握していくと力が付いていきます。技術や言語によってはデザインパターンというベストな構成や作り方が纏められているものがあるので、こちらが存在しているものは知識として抑えておいた方が良いです。

 

<3.各情報がどこにどんな情報があるか大体知っている>

分からない事を自分で調べて解決している人は有益な情報が集まっている場所を知っていたり、更新情報をチェックして現在どこになにがあるかを大体把握していたりしています。これは普段から色々な情報に触れている必要がありますが、私のように情報を集約している人の情報を追う事で、少し手間を省く事ができます。情報を纏めている人を見つけてその人を監視していくのも技の一つです(twitterお勧め)。社内/社外への問い合わせ先を知っている事も重要です。

 

<4.インターネットで使用する検索キーワードが的確、情報を絞れる>

闇雲なキーワードで検索をしてもほしい情報に辿り着かない事があります。例えば大量のエラーメッセージが出力されている場合、検索すべきエラーコードを見つけて検索ができる人とまったく関係のない文言で検索していく人のように違いがでてきます。この能力はログが関わっている場合はログの出力内容を理解している、またはログに出力されている内容自体を検索できたり、その他の事であれば問題個所を理解し「製品や技術名+問題」で検索できたりする事です。1つ目のできる事の能力に似ていますが、製品名や技術名が分からなかったり、対象が誤っていたりで検索していくと、見当違いのものが引っ掛かってきてしまいます。また、ニュース検索、画像検索、Twitter検索したり、ほしい情報のみに絞ったり、検索結果を変えてほしい情報にたどり着く力も重要です。

 

<5.各製品の問い合わせ先、問い合わせ方法を知っている>

技術的な事で、無料の相談フォームを利用しても解決に至らない場合や正式な回答がほしい時があります。その時に該当の製品についての問題であれば、製品のサポートに問い合わせを行う事で、プロフェッショナルの知見と製品提供者として正式回答を得られて解決に至るケースが多くあります。会社内に情報システム部門がある場合は、情報システム部門に一度問い合わせはした方が良いです。既に窓口担当が決まっており、情報システム部門の人を通じてやり取りした方が、より会社として間違いのない判断を行う事ができるケースがあります。(情報システム部門内だけで解決される可能性もある)

情報システム部門の人が直接やり取りしてくださいと判断したら直接やり取りしましょう。重要な課題がそれでも解決できない際は、有料のサポートによって、解決できそうなのであれば有料のサポート契約を結ぶ事も解決手段の一つです。製品の公式サイトに大体問い合わせ方法が記載されています。

 

 

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よくある問題と解決策

ここからはUiPathでよく質問されている(FAQ)について、カテゴリ別に記載していきます。

 

【Studio】

<アクティビティ編>

1.開発時に動作していたのに、動かなくなった。安定しない。

こちらはセレクターが開発時から変わってしまっていたり、開発機と本番機の環境差異(インターネットオプション設定や権限等)が違っていたり、処理時間が伸びていたり様々な原因があります。UiPath公式が安定したワークフロー開発を行えるためのTIPS集を出しているので、まずこちらを見て対応していないものがあるか確認しましょう。Excelの表示されているツールバーの違いでidx番号が違ってきたりするので、他にも表示されそうな項目名がセレクターになる場合、常に注意して開発する必要があります。

ワークフロー開発実践テクニックレシピ ~第1弾~ ワークフロー動作安定化

 

環境変化に強いアクティビティを作成するコツが下記フォーラムの回答で箇条書きで纏められているので、こちらも良いです。

Is there a best practice for creating selectors so they continue to work when a website is updated - Studio - UiPath Community Forum

 

2.クリックが 画面描写よりも早く動作してしまう、正常に動作しない

クリックアクティビィについて、徹底解説されている情報がナレッジベースに存在しているため、こちらを参照して対応を行うと良いです。

クリックアクティビティー徹底解説

 

<開発手法>

1.Internet Explorerの通知バーの処理が安定しない。

下記ナレッジベースに対応方法が纏められているので、こちらを参照して対応可能です。

Windows 標準 UI の自動化のヒント

 UiPath Go!にInternet Explorerの通知バー部品があるので、作り方の参考にこちらも参照してみると良いです。

Save as File Download for Internet Explorer - RPA コンポーネント | UiPath Connect

 

2.PDFの値が上手く取得できない

下記に公式からのPDFファイルに対する対処方法が記載されています。

PDFファイルからのデータ抽出

 

3.操作途中(右クリック等)のときにしか表示されない項目を操作したい!

録画機能のF2(一時停止)を扱えば、操作対象をその間に表示してセレクターの取得が可能です。

【できるUiPath】実際に操作するだけでロボットが動き出す! UiPathのレコーディング機能とは | できるネット

 

 

 

<ライセンスのアクティベート、ディアクティベート>

1.ライセンスアクティベートを手順通り(コマンドライン)実施したが、上手くいかない。

2018.4.7、2019.4.5、2019LTS以降のバージョンはコマンド(exe)が「LicenseTool.exe」に変更されています。バージョンを覚えておくのは大変なので「LicenseTool.exe」が存在すればそちらで実施、ない場合は「regutil.exe」実施と覚えておくのが良いです。コマンドが正しくても認証できない場合、UiPathのライセンスサーバにプロキシの関係でアクセスできない場合が多いです。コマンドがあっている場合はオフラインアクティベーションで実施できるか試してみると良いです。コマンドラインのエラー内容を理解する事ができれば早く問題特定できますので、コマンドラインには慣れておいた方が良いです。

契約更新・ライセンス情報更新後に UiPath Platform で実行する手順

 

【StudioX】

工事中

【Robot】

工事中 

【Orchestrator】

1.Orchestratorが良くわからない、、、

下記ナレッジベースにスターターガイドが公表されているので確認頂き、無料で使えるコミュニティクラウド上で操作すると理解を深める事ができます。

UiPath Orchestrator スターターガイド[第1版]

 

2.Orchestratorの構築手順が知りたい!

下記ナレッジベースに構築手順が纏められています。環境構築系は自分が対応したいバージョンのものが公式から出されていないか確認してください。

 

<通常版>

Orchestrator導入ステップバイステップガイド [2020.4 対応版]

<Azure>

Azure環境 UiPath Orchestrator 2019.10 LTS ステップバイステップ 構築手順書

Stack-UiPath on Azure - IaaS

<AWS>

Stack-UiPath on AWS - Full Plan (2019LTS対応)

 

 

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最後に

よくある問題と解決策は今後UiPath公式が公表する情報の状況を見つつ、UiPath コミュティフォーラムを分析して、質問が多いものから随時更新していく予定です。どのような質問が多いのか、解決にまで至っていない質問数と解決した質問数等分析もする予定なので、分析完了したら別の記事に纏めようと思います。

 

分からない事をまずは自分で調べるというのは、一般的なスキルとして重要なものです。自分で調べて覚えた事は記憶に残りやすく理解も深まりそのまま自分の力となります。しかし、時間を掛け過ぎていては自分の時間(会社員の場合は工数)がもったいないので、詳しい人に質問して解決したり、複数人で討論して解決策を摸索したり周りを巻き込んでいく事も大事な事です。

 

普段からどこになんの情報が存在しているか把握しておく事で、開発力は上がっていくと思います。この記事が皆さまの問題解決や調べる力の向上の役にたてば幸いです。

 

UiPathに関しての他の情報も纏めているので、そちらも気になる方は下記リンク集から飛んで行っていただければと思います。

 

syachiku-inu.hatenablog.com